メイン機材はNikonのD7000です。
やはりデジタルは使い易い。
フィルム代、現像代を気にすることなく何度も撮り直しができ、フットワークが軽いので、登山なども含めてコイツを連れて歩いています。ホワイトバランス、ISO、露出補正など、フィルム時代からは考えられないほど簡単に設定できるのが魅力ですねやっぱり。
一方で、便利なものや使い易いものよりも、時代と照らし合わせた時に使いにくく不便なものに惹かれます。
カメラも車もバイクもギターも、一筋縄にはいかないようなクセの強いものが好きです。
都会的なものより野生的なイメージが強いもの。
無骨で荒々しく、手なずけるのに一苦労するような、野生のサラブレッドのようなヤツ。
うまく使いこなす為には、自分の「腕」だけが頼り。そんなものに魅力を感じます。
このハッセルブラッドさんもそんなヤツ。
オートフォーカス?
露出計?
手ブレ補正?
なんスかそれ?
自分カンケーねーし。
みたいな(笑)
すべてがフルマニュアル。
電池?そんなもの必要無し!(笑)
それでいて全ての条件がビシッと揃った時、とてつもない描写力と再現力を発揮します。
ハッセルさんが特別なわけではなく、オールドなカメラには何かしらの優れた特質を持ったものが多く、最新のデジタルカメラなど足元にも及ばない力を秘めています。
問題は「ビシッと揃える」こと。
これはギターにも言えることでして。
ワタクシの愛器はグレッチ6120という暴れ馬。セミアコ(ースティックギター)と言って、エレキギターなのにボディの中が空洞になっており、バイオリンのように「f(エフ)ホール」が特徴です。
アンプを通した時により良き音を出すのが非常に難しく、毎度泣かされています。本来はブライアン・セッツァーなどロカビリー御用達ギターです。
でも!当の本人、スティービー・レイヴォーンやクラプトンなどブルースが好きなのにグレッチ保有という物凄い節操の無さが売りです(笑)
勿論セッツァーも好きですよ。
ただこの楽器も、「揃わないと」素晴らしい音が生まれないというのは共通していますね。
個々の楽器の持つ最大限の特性を引き出すことは、並大抵のことではありません。
その「深さ・重さ」のキャパシティというものを無尽蔵に蓄えているのが、いわゆる名器(機)と呼ばれるもの。
かの有名なアントニオ・ストラディバリウスが作製したバイオリンは5億、10億の値が付いていますが、音の響きを科学的に解明した結果、現代の最先端技術を持ってしても未だその共鳴力を再現することはできないそうです。次元が既に違うという。
400年以上も前に使われた木ひとつとっても、その土地の気候・土壌・空気などあらゆる要素がすべて関係しており、どれかひとつ欠けてもダメなんですね。
再現できない理由のひとつに、地球の温暖化が挙げられるのも悲しい事実として頷けます。
これと似た話が日本にもあります。
「紬」という日本の伝統的着物。
その中でも一際有名なのが「大島紬」と「結城紬」です。これに似せた名ばかりの着物は世にゴマンと氾濫していますが、ホンモノは少なく大変貴重です。反物で言えば、一反100〜300万は当たり前。重要無形文化財である本場結城紬の中には1000万近い値が付いているものも。これもやはり、その土地(奄美大島、茨城県結城市)でしかできない要素というのがあるのです。聞いた話では、糸を紡ぐ時に唾液を使うらしいのですが、その土地の食文化で育った粘りあるばぁさんの唾液でしかその糸は再現できないそうです。
染める原料となる藍や草木も「その土地の」という点において然り。
因みに大島紬も結城紬も、完璧に着付けをすると絶対に着崩れ起こしませんし、何年経っても丈夫。
大島ばぁさんの唾液、スゴかりし。
問屋さんが、「最近のばぁさんの唾液は粘りが足らんね」と、言うてはりましたw
でも、そうした文化といいますか、何かとてつもないロマンを感じてしまうのは、元着物屋勤務のワタクシだけでしょうか…
話を戻します。
このハッセルブラッド、良質なスウェーデン鋼をボディに使用し、世界で初めて月まで行っちゃったスウェーデン製の堅牢カメラですが、ここにも逸話あり。
大戦中に墜落したドイツの戦闘機から航空カメラが発見されました。カメラといえば今も昔もライカに代表されるようにドイツです。それをヴィクター・ハッセルブラッド氏に持っていき、「これと同じカメラを作ってくれ」と頼んだそうです。
するとハッセル氏、にべも無く「できません」とひと言。
「でも」と続けて、ニヤリと
「それ以上に優れたものならできます。」
くぅ〜〜ニクい!
カッコ良過ぎ!!(笑)
そうして有言実行、見事ハッセルブラッドの名をその世界に知らせしめたのであります。
保有しているハッセルのレンズは、ドイツのカールツァイス・プラナー80mm。
ハッセルは中盤カメラなので120のブローニーフィルムを使うのですが、フィルム代と現像・プリント代が高価なため、
たまにNikon-F100やD7000につけて撮っています。
バビッとした写真が撮れる幅というものが非常に狭いと言いますか、厳しいのですが、それが決まった時には鳥肌が立つほど素晴らしい玉(レンズ)です。
あとは撮影者の腕ですね(汗)←1番重要
宝の持ち腐れにならぬよう、精進して鳥肌立つよう頑張ります。
まずはメンテナンス!
ふきふきしましょうw
↑典型的な持ち腐れパターン
でもバイクだって車だってそうでしょ?
継承されてきた物を取り巻く技術や知識というものは、色褪せるどころか今こそ見直されなければと思うのです。便利さや使い易さよりも。
まぁ時と場合を選ぶかもしれませんが。
ラクに暮らしたいですか?
使い捨てでいいんですか?
先人達が残した、有形・無形の素晴らしき財産。それを守るということ。
「叡智」は力です。
さ、磨いて磨いて〜(笑)
指輪物語こと『ロード・オブ・ザ・リング』のアルウェン役、リヴ・タイラーがAerosmithのボーカル、スティーヴン・タイラーの実の娘であるのは周知のこと。Aerosmithの熱狂的ファンだった彼女が9歳の時まで、自分の本当の父親がスティーヴン・タイラーだということを知らなかったという逸話はあまりにも有名だ。しかも彼女の育ての父親が、Grand Funk Railroad やThe Band、Daryl Hall & John Oatesなどの名プロデューサー、トッド・ラングレンだというから、音楽家系的にはサラブレッドと称しても過言ではない。にも関わらず女優の道に進んだのは、母親が元トップモデルであり、本人も15歳からモデルとして業界入りするほどの美貌の持ち主だったからだろう。
何が言いたいのかというと…
リヴ・タイラー好きッス(それだけかよっ)
いやいや、ぼかぁ風が吹き荒れるテントの中で考えたんです。
俺はホビットじゃないだろうと。
アラゴルンだと。(笑)
身の丈ほどの大剣を振りかざして小さな英雄を守り、アルノール国とゴンドール国の2つの王家の血を引く誇り高き王子様なんだと。
アルウェンが待ってるぞと。
そうさ、待ってろよリヴ・タイ…じゃなくてアルウェン!
そうしてぼかぁ意を決してテントを飛び出すと、剣ならぬ登山ストックをシャキーン!と天に振りかざし、真っ向から迫り来る風の大蛇に向かって「うぉぉ〜!!」と雄叫びを上げ(かなりイッちゃってます)、20kgのザックによろめき足がもつれながら駆け出したのでさぁ!
(誰だお前(笑))
この2枚の写真は昨年白雲岳に行った時のものですが、見てください。わかりますか?
吹き曝しでしょ?
ほら
な?
「な?」て。
それがこうなる。
あーコワイコワイ。
どうして地面が黒いんですか!
僅かなペンキを塗った石ころを頼りに、暴風と時折吹き出すヒデキ・スモークで荒れ狂うここを歩くわけだ。
あーコワイコワイ。
でも僕には愛しきアルウェンが待っていますから(まだ言ってる)、走りましたよ。ええ。
走りましたともさ。
人間いざとなれば20kgの荷物背負って走れるんです!
「愛」があるから!
わはは!アホや。
(これも去年の写真)
そして赤岳目前にして最後の修羅場を迎える。それだけの重いザックを背負っているのにも関わらず、なんと身体が吹き飛ばされそうになるのだ。
這いつくばるように必死に抗い、息も絶え絶えようやく赤岳山頂の巨岩の影に身を隠す。
「はぁ、はぁ、はぁ……ふふっ…ふふふ…ふはははは!」安堵の笑いが込み上げる。徐にザックからスキットルを取り出し、無意識に勝利の美酒に酔いしれようと口につけた瞬間、「…はっ!いかん!おのれぇ〜〜出たな赤岳の魔物め〜!(ロードオブ〜①参照)まだ俺を陥れようとするか〜!(もうほとんどビョーキ)」
慌ててスキットルを仕舞い、最後の力を振り絞ってフラフラになりながら赤岳を下山する自称アラゴルン42歳。
かくして、あれほど激しく荒れ狂っていた風はウソのように鎮まりかえり、穏やかなそよ風吹く駒草平を経て、長い長い旅は終わりを迎えたのです。
登山口で待っていたのはアルウェンではなく、白の魔法使いガンダルフに見える管理人。
「あ、あなたは死んだはずでは⁈」
とは言わない。
ガンダルフが問いかける。
「旅はどうじゃった?(と聞こえる)」
ほんの一瞬考えて、自然に出た笑みと共にこう答えた。
「…いい経験をさせてもらいました!」
「ふぁっふぁっふぁっふぁ!若いの、これを持っておゆき!(と聞こえる)」
♫パパパパーン!♫
『アラゴルンは「黒岳の湯100円割引券」を手に入れた!(ドラクエ風)』
かくしてアラゴルンは温泉浸かって「極楽極楽ぅ〜」っつって帰路についたとさ!
おしまい!(笑)
一体何をしに行ったんだ俺は…
愛読している先人達の山岳ブログを拝見したところによれば、この白雲岳避難小屋のテント場、海の日を含む三連休初日にナント70張りのテント群だったという…
ナゼ?どーして?
どうして誰もおらんの?
も、もしかしてボクちん、日曜日に間違って登校しちゃった小学生、的な「イタい子」?(笑)
うーむ…(−_−;)
とりあえず避難小屋で協力金300円払って受付を済まし、情報収集を試みる。
「あー…えーとー、今日はまだテント泊する人は来てないですねー…」と、明らかに気の毒そうな目でオレを見る避難小屋の管理人さん。
お願いだからそんな目で見ないで(笑)
聞けば前日は大雪山全域、十勝岳連峰まで暴風雨。
しかも今晩から明日午前中にかけてそれ以上の暴風予報。
つまり、やっぱりイタい子だったと(爆)
まぁいいさ。
ひとりでおNEWのテント張って少しでもモチベーション上げてみるさ。
「イェーイ!貸切りぃ〜!ひゃっほー!」
とは素直に喜べぬこの我が心境。
この夜に吹き荒れるだろう未知なる嵐にたったひとりで立ち向かわねばならんのかという、多大なる不安に起因するのは言うまでも無い(笑)
それでも「ビールが美味い!」と、誰もいないことをいいことに声高々に飲みながら、ゆっくりと時間をかけてテント設営。
完成!
とりあえずポージングw
今度は住み心地良き快適テントを目指し、さらに黙々と整理整頓していると、あまりにもの心地良さに途中で気を失い爆睡してしまう幸せな俺(笑)
人の話声でハッと目を覚まし、趣にテントから顔を出すと…
ありゃ!いつの間に(笑)
しかも日が暮れとる(汗)
気がつけば8張りほどのテントが設営されており、言いようのない孤独感から少しだけ解放される。
かなり気を良くしたので、夕食の準備に取り掛かります。ワタクシが勝手に敬愛するブロガーさんのテン泊夕飯メニューをパクり、本日のディナーの完成!
王将餃子のトンコツ味噌スープ仕立てとアルファ米。
美味!
例え湧き立つ不穏な雲が空を覆い尽くしたとしても、それが自然の持つ本来の姿であることは間違いが無く、その中にこのちっぽけな身を置かせてもらうこと、ただそれだけで至福を感じてしまうのは、山に魅せられた者の性というものでしょうか。その、不変の美しさに我が心は揺さぶられるのです。
やがて日が沈み
風が勢いを増し
時折テントがバタつき始めました。
あわよくば星景写真をと思いテントの入口をそっと開けると、西城秀樹が「ロォ〜ラァ〜!」と歌い出しそうな濃いスモーク(霧)が当たり一面に…
「ヒデキー‼︎」と一声して「古っ」と自分でツッコミ、何事もなかったかのようにまたそっとファスナーを閉める。
やがて少しずつ気温が下がり、獲物を狙う蛇のようににじり寄ってきた嵐は、突然ひと息に牙を剥いたのです。
山の稜線から魔物が迫り来るかのように、ゴゴゴゴ…ゴォ〜〜!!と腹まで響くほどの風の低い唸り声が空いっぱいに轟きました。
テントの中で待機していても、怒り狂う空の様子が手に取るようにわかります。
そして、それに呼応するかのように、ステラリッジ(テント)のバタつきは激しさを増し、いつ飛ばされてもおかしくない状況に…
何度も避難小屋へ、文字通り避難する決断を迫られましたが、動けません。
それはもう、否定のしようがない「恐怖」。
シュラフに潜り横になるも当然寝つけず、気がつけば夜中の1時。
激しさはさらに増しています。
そのうち、だんだん恐怖に慣れてしまい、怯えることに飽き(笑)
「まぁ、なるようにしかならんか…」
と思い直し、スキットルの山崎12年を飲み始めたのが良かった。
4時のアラームで目を覚ますまで、そのまま爆睡(笑)
起きても尚、風は強く大騒ぎしていましたが、それでも昨夜よりは幾分収まった様子。周りのテントも皆無事のようですが、「一睡もできなかった…」と憔悴仕切った声が聞こえてきました。
とりあえず一晩乗り切ることができた安堵のため息と共に、珈琲を淹れてホッとする。
腹が減っては戦出来ぬ!
と徐にイソイソとご飯支度。
単に腹が減ったという話もありますがw
昨晩食べ切れなかったアルファ米のチキンライスと簡易チゲ鍋(朝からクドっ!)。
それでも風は一向におさまる様子もなく、あとは帰りの白雲分岐から赤岳までの、吹き曝しの稜線歩きが残された最大の難関となり…。
さてと。
どうしたものか…
つづく。
(話を引っ張るなぁ(笑))
層雲峡で高速を降りて一服がてら車を止め、スマホでこれから行く山の天気を最終チェック。
前々日確認した時は、晴れ。
登山指数「A」だった。
なのに
山の天気サイト「てんきとくらす」を見て愕然…。
「白雲岳」標高2000m付近の風速15m〜16m。気温8℃。
登山指数「C」→つまり登山不適。
えーっとー…15mというのは…どういう風でしたか?(笑)…なんか、とても強そうですね(←軽いパニックを引き起こしている)。
確か記憶が正しければ、「風速1m毎に体感温度は1℃下がる」だったような…するってーと、体感温度は氷点下7〜8℃…つまり風が強いということは……寒いってことかなぁ?(←これが精一杯の思考能力)
今回は銀泉台〜赤岳〜白雲分岐〜避難小屋テン場というコースを取る予定であったため、とりあえず銀泉台登山口まで行き、管理人さんに風速15mでの白雲初テン泊をほのめかすと
「若いんだからダイジョブ!ヤバいと思ったら避難小屋駆け込んだら?」
「若いからダイジョブ!」って、これから徹夜で麻雀するんじゃないんだから。
拍子抜けするほど軽いなぁ。
風速15mってそんなもんなのか?
まぁでも、目の前に避難小屋があるのは心強いよな確かに。
うむ。
んじゃま、いこか。(←単純)
8:30銀泉台出発。
な〜んだ、晴れているではないか。
21kgのザックも、想像していたほど辛くはない。言わずもがな、トレーニングの成果じゃろ?うし!行ったれ行ったれ。
着々と高度を稼ぎます。
最近マイブームのセルフ魚眼。
駒草平。
いやーんコマクサかわいいー!(笑)
きゃーチングルマかわいいー!
キャーキャー花火みたいでかわいいー!
…えー、きっと俗に言うクライマーズハイってやつです(笑)
軽くスルーしてください。
そうして出発から3時間、大騒ぎして辿りついたのが標高2,078m「赤岳」。モクモクと大地から湧き上がるような雲がとても迫力あっていい感じ!(←天気が崩れかかっていることにまだ気づいていない可哀想なヤツ)
第一関門突破と、訳のわからぬクライマーズハイで思わず持参したビールに手が伸びて「ハッ!」っと我に返るオレ。
むむぅ…赤岳恐るべし。
どうやら魔物が住んでいるようです。
ビールはまだダメ!
ちょっと息を整えてから、一路いざ小泉岳方面へ。
おや?遠くに見ゆるは凌雲さんと北鎮さんでしたか。御無沙汰してました。お元気そうで何よりです。
まるでアメリカ西部の荒野みたいな分岐点。緑岳方面と白雲岳方面の別れ道。
ブルースハープが聞こえてきそう。
あ、それ南部かw
このような荒涼としたサハラ砂漠のような道をひとりで歩くのは結構好きですよ。歩きながら、ひとりだといろんなことを深く考えますね…つまらん事から、どうしようもなくつまらん事、普段考えないようなつまらん事まで(笑)
人とは?愛とは?孤独とは?みたいな。
その時間が好き。
そうしてついに…
むははは!ついに来たどー!白雲岳避難小屋テントサイト!
気分はまるでロードオブザリングの主人公!(←幼稚)
ささ、早いとこ下っておNEWのテント張って(笑)、ビール!ビール!ビール!ビ……ん?
おや?
まさか…
んなアホな…
…だ、誰もおらん…
つづく。
7/20に丘珠空港で開催される、航空ページェントの飛行練習と思われますが、物々しい戦闘機の爆音が雷鳴の如く札幌中に鳴り響いていた今日この頃、いかがお過ごしですか。
さて、「計画の練り直し」の結果、残念ながら今回テン泊は延期をし、蝦夷富士こと日本百名山でもある羊蹄山へ行ってきました。トレーニングの体力測定&おNEWのスカルパ「試乗会」ならぬ「試履会」を兼ねてww
晴れていますが霞がかり、いろいろな理由でスッキリとした天気ではないという感じ。過去2回はいずれも真狩コースでしたが、気分を変えて今回は比羅夫コースを初選択。プラティパスに冷たい羊蹄の山麓水を汲み、いざ登山口へ。
かなりのんびりな8時半スタート。平日にも関わらず駐車場は満車でした。
ガイドブックでは4時間半、健脚者で4時間が普通らしいです。
では目指しましょう4時間!
歩き始めは気持ち良かったのです。
岩の隙間から冷たい風が吹き出すという、ウワサの風穴も楽しんで。
で、本格的な登りが始まってからが地獄でした…
気温30℃弱で無風。
文字通り汗が滝のように流れ落ちます(下山後の温泉で体重を測ったら1日で2kg痩せていました…)
いつもはカメラ片手に登ります。が、撮る気力が全く湧かない→仕舞う→9号目近くまで殆ど眺望きかない→この間一切写真無し(笑)
おまけに小岩・小石でズルズル滑るに加えて膝痛が発生。あまりにも辛くて途中何度もリタイアを考える。
でも
でも!
なぜかここまで登ってしまったオレ…(笑)
ここまで来たら最後まで行くしかないよなぁやっぱ…と腹を決めた瞬間。
こんなかわいい花々を見せられたらあーた、そりゃあ疲れも吹き飛びますって。
そして最後のひと息…
お釜の「フチ」に到〜達!
いやはや、なんともキツかった…
日頃のトレーニングは一体なんだったのだろう…と自問自答&感無量。
さ、頂点に向けて勝利のウィニングランならぬウィニングウォークです。
それにしても羊蹄さんの高度感は、相変わらず凄いですね…飛行機の窓から見える景色とあまり変わらない気がするほど。
今日は雲とほぼ同じ高度です。
そして遂に…
眼下に見ゆるは尻別岳。
14:00山頂到達。
5時間半かかりました(涙)
でも、この清々しいまでの達成感は何にも代えられません。
山頂に吹く風が優しくて、本当に気持ち良かった。
今回初めて使ってみたのがこれ。
外付け広角レンズ+フィッシュアイ+スーパーマクロレンズ。660円という値段の割りにはしっかり作られており、かなり遊べますww
小さな一脚にiPhone用スタンドを付けて撮影すると…
と、手軽に自撮り。
自由雲台がオススメです。
ワタクシの顔がアンパンマンのように必要以上にむくんでいるのは軽くスルーしてください。
本来は昼ごはん、珈琲など淹れて1時間ほどまったり休憩する予定でしたが、登ってきた時間と麓に下山する時間を逆算すると、30分しか山頂にいられないことに気付きました(←気付くの遅過ぎ)。まぁヘッデンとか万が一のビバークグッズは常に持っていますが、できることならそんなもの使いたくはない(笑)
名残り惜しくも14:30下山開始。
実はここからが、トレーニングをして作り上げた体力の真骨頂でした。「絶対明るいうちに下山!」という執念が、自分としてはあり得ないタイムを叩き出すことに…
5号目で息を整えるために数分立ち止まる以外は、2合目まで20人以上ごぼう抜きで殆どノンストップスパート。「うぉりゃぁぁ〜〜!」と鬼気迫る凄まじい勢いのおっさんに、皆後ずさるように道を空けたという(笑)
まぁそれは冗談ですが、人のいないところで5号目まで走ったのは本当です。
最後の気力と体力を振り絞るために、1合目で数分小休止。
そして山頂から駐車場までなんと2時間20分で下山。いくら下りの方が得意とはいえ、登りと下りのタイムがあまりにも差があり過ぎ…
なんだこの偏った体力は(笑)
まぁでも、アラフォーとしては随分頑張った方ではないでしょうか。
お陰様で今日になっても膝は痛い上に、わははわははと笑いっぱなしです。
おNEWのスカルパ君、しっかり仕事してくれましたよ^_^
素晴らしい靴です。
さ、これで靴の不安も払拭でき、心置きなくテン泊本番へ気持ちを切り替えられそうです。
まぁ、登りに不安が残っているというのはありますが(←1番重要)
来週いざ出陣です。
【後方羊蹄山】
標高:1,898m
標高差約1,548m
歩行距離約11.8㎞
おしまい。